2018年11月20日火曜日

雲水日記12

6月21日
入門89日目。3度目の接心終了。

 長い長い3度目の接心がようやく終わった。
すっかり恒例になった魔のデカ盛り茶礼に加え、今回は、初の三應の接心当番(※1)、葬儀2座、大法要2座(※2)、更に水施餓鬼も始まり、ものすごくハードだった。
ただでさえ接心中は、4時起床、23時就寝なのに、23時から葬儀と法要での侍香の練習が入ったから、1時間半睡眠が続いた。。。
講座中に寝るとクビになるし、さすがに葬儀や法要で寝るわけにはいかないため、先輩から貰ったモカという眠気止め薬を飲んで耐えた。
効果があったのかよく分からないけど、なんとか睡魔に勝った。

 そして、初めてのことが続き、数え切れないほどのミスをした。
葬儀や法要は一般の方にはわからない程度のミスだと思うが、一番のミスは風呂を入れ忘れたことだ。めちゃくちゃ怒鳴られ、持鉢を投げつけられた。
致命的なミスをすると、着襪低頭といって、雲水衣に着替えて足袋を履いて(※3)、謝罪をすることになっている。
接心中は分刻みで予定が全て決まっているから、それを狂わせてしまうことは絶対にやってはいけないNG行為とのこと。
ちなみに、食べられないくらい不味い飯をつくっても着襪低頭をしなければいけないらしい。
何をやらかしても、着襪低頭をすれば許してもらえるんだから、と気持ちを切り替えよう。。。
Don't worry be happyだ。

 とにかく踏んだり蹴ったりの7日間だったけど、ひとまずお疲れ様でした。

※1
お経のテストに合格すると、接心当番というものが当たる。
接心中は、檀家さんであっても外部との接触は断絶され、食事と東司以外は座禅と一日4回の参禅を行う。接心当番は、集中して修行ができるようにサポートすることが役割。
主な三應の接心当番は、老師の食事づくり、参禅準備、開浴準備など。
他には典座の接心当番がある。典座は雲水への食事や茶礼をつくることが役割。

※2
道場内で使う用語。
小法要:雲水2~3名で行う法要。
中法要:雲水4~6名で行う法要。
大法要:雲水の人数は関係なく、老師が出頭する法要。大法要になると、老師をサポートする侍香が必要になる。

※3
普段は作務衣姿で足袋は履かない。道場内で足袋を履く時は法要や葬儀などに限られる。

【雲水用語】
接心(せっしん):集中修行期間。外部との接触を断絶し、座禅と参禅に励む。
三應(さんのう):老師をサポートする部署。
水施餓鬼(みずせがき):成仏していない死者の霊を供養する夏の儀式。
侍香(じこう):葬儀や法要などで、老師の焼香や読経をサポートする役割。
講座(こうざ):無門関などの禅に関する授業。
持鉢(じはつ):道場で使用する食器のこと。
着襪低頭(ちゃくべつていとう):襪とは足袋の原型となった履物のこと。低頭とは頭を低くする行為、つまり謝罪のこと。
典座(てんぞ):食事をつくる部署。
東司(とうす):トイレのこと。

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