2016年9月27日火曜日

延命十句観音経クリア!


”延命十句観音経”は、十句しかない、たった42文字の短いお経。
今回は1日でマスターです!

真の信心をもって延命十句観音経を唱えると、
病気が治ったり苦しみが消えたりのご利益あると言われています。
短いお経なので全文紹介します。

<全文>
観世音   南無仏
与仏有因  与仏有縁
仏法僧縁  常楽我浄
朝念観世音 暮念観世音
念念従心起 念念不離心

<和訳>
観音様。
私は仏様にすべてをおまかせします。
私どもは仏様と同じ因、縁をもった世界に生きております。
仏・法・僧のご縁によって、常・楽・我・浄の観音様の四徳が私の身にいただけますように。
わたしは、朝と夕べに観世音を念じます。
この一念は私の心中に秘められている仏の心の願いでございます。

※四徳とは
常徳:無常の世の中を生きていくのに無常を大切にしていくと、やがては不安のなくなる平常心。
楽徳:苦の世の中を生きるには、苦をよく噛みしめていくと苦から色々教わり苦が苦痛でなくなる安楽。
我徳:自分ひとりの力で生きるのではない様々な縁に助けられ支えられて生かされ、他を生かしていく利己利他の精神。
常徳:苦・楽を分け隔てしない、浄・不浄を選り好みをしない平等の智慧と慈悲。


これで6つ。まだまだ。

2016年9月26日月曜日

白隠禅師坐禅和讃クリア!



”白隠禅師坐禅和讃”という日本語になっていて他のお経よりは覚えやすいはずなのですが、
予定よりも時間がかかり、10日ほどかかってしまいました。

「白隠禅師」とは江戸時代の禅僧、白隠慧鶴(はくいん えかく)のことで、
「坐禅和讃」とは漢文表記であった坐禅の本質・目的を日本語で解説したもので、民衆にも分かりやすく説いたもの。
例えば、衆生本来仏なり(私たちも本当は仏である)、それ摩訶えんの禅定は称歎するに余りあり(心を落ち着かせることは私たちにとって大きな支えになる)、無念の念を念としてうたうも舞うも法の声(こだわらずに心おだやかに毎日を過ごす行いが周りの人を救う)などです。

白隠禅師は偉大な禅僧で、「臨済宗の中興(ちゅうこう)の祖」と言われています。
江戸時代に幕府がつくった檀家制度によって僧たちは布教や修行をしなくなってしまいました。
そんな中、白隠禅師は人々に教えを説き、弟子を多く育て、型にはまって分かりづらかった禅(坐禅や公案など)を分かりやすく示し、日本中に広められました。

奇しくもこの秋に白隠禅師250年遠諱記念の展示会があります。
「禅 心をかたちに」@東京国立博物館 2016年10月18日~11月27日
http://rinnou.net/rinzai1150/exhibition/tohaku-ivent.html
これは見に行くしかありませんな!

2016年9月25日日曜日

「山奥の禅寺でプチ修行」1回目終了!

9/25(日)に「山奥の禅寺でプチ修行」という坐禅と写経のイベントを開催しました。
これまで、檀家さん以外の方を対象としたイベントを行うことは滅多になく、
集客に自信がなかったので、長良川おんぱくに参加して、事前準備を進めてきました。

長良川おんぱくは、かなり人気で集客力があるとのことでしたが、
本当に申し込みがあるかな、、、と心配していましたが、さすがの長良川おんぱくでした!
4組8名の方に参加して頂きました。年齢は20代~40代とお若い方ばかり、岐阜市と一宮市の市街地からのお越しで、禅や写経、非日常体験に興味があって参加して頂いたようでした。

プチ禅寺修行体験をコンセプトに、普段お寺や禅に関わる機会がないけど興味がある、という方を対象に企画しました。
<内容>
・自己紹介
・般若心経クイズ
・読経(般若心経)
・坐禅
・写経(般若心経)
・おやつタイム(シフォンケーキ&ゆずジャム)
・振り返り
・寺院散策(希望者のみ)

般若心経がどんなお経か知ってもらうためにクイズを、般若心経の唱え方の解説を、坐禅は前半は15分、後半は10分という短時間に、上之保地区はゆずの産地なのでゆずを使ったおやつを用意させて頂きました。



アンケート結果の評価も高く、お得感があったという声を頂き、満足して頂けたようで良かったです(^^)
次回に向けてフィードバックも頂き、これからやるべきことが明確になりました。
<頂いた感想>
・初めての坐禅、写経でしたが、とても良い経験になりました。
・日常と違った体験ができた。「空」「無」を思い出し、日常生活に取り入れていければと思った。
・楽しかったです!
・貴重な体験が出来て良かった。
・坐禅と写経は、自宅でも実践していこうと思います。
・時間も2時間程度でちょうど良かったです。
・上之保地区の飲食店の鰻丼が美味しかったです。

<頂いた改善案>
・読経は2回の方が良い。1回目で唱え方を覚えて、2回目で本番のように。
・般若心経を日本語で翻訳して欲しい。
・警策(坐禅の時に肩を打つ棒)で叩かれる合図を出すタイミングが分からなかった。
・写経に時間がかかったので、たっぷり時間をとって欲しかった。
・アクセスが良くないので、主な観光スポットなどからかかる時間の目安を教えて欲しかった。
・予定していた解散時間をオーバーしてしまったので、時間に余裕を持ってスケジューリングした方が良い。

次回は10/12(水)。今回頂いたフィードバックを基にしっかりと反省して、次回に繋げていきます!
今回参加して頂いた皆様、ありがとうござました!!

2016年9月13日火曜日

大悲呪クリア!

先日のブログでも触れたように、とにかくお経を覚えないことには話にならないため、起床後や就寝前、車での移動中など、すきま時間を使ってお経を唱えるようにしています。

お経というのは、意味がよくわからないことや現代語に翻訳できないことが多いので、覚えるのに骨が折れます。新たな箇所を覚えては覚えたはずの箇所を忘れる、そしてまた覚え直す、、、の繰り返しで、3歩進んで2歩下がります。

でも集中して尚且つ時間をかければ何とかなるもので、1週間で”大悲呪(だいひしゅ)”というお経を覚えました!”呪い”という文字が使ってあるので、恐ろしいお経なのかと思ってしまいますが、呪いではなく呪文ということです。


大悲呪の正式名は”千手千眼観自在菩薩廣大円満無礙大悲心陀羅尼経”といって、千手千眼をもつ観世音菩薩(観音様)の大慈悲心(思いやり)をあらわした陀羅尼(呪文)です。
観世音菩薩様のお慈悲を持って、私達の犯した罪の清浄を願う言葉であり、観音様に直接働きかけています。例えば、「慈悲深き観音様よ、喜びを与える者に幸あれー。」「貪欲や激しい怒り、愚痴の害毒を除こう。心の汚れを取り去りたまえー。」という言葉が続きます。

臨済宗では、食事前の勤め、法要、葬儀、行事など、般若心経と同じくらいよく唱えるお経で、リズムが良いので耳に残るお経ですよ。

これで覚えたお経は4つ。
まだまだ先は長い。。。

2016年9月10日土曜日

新米僧侶向けの研修会へ

先日、2泊3日の新米僧侶向けの研修会に参加するため、本山妙心寺に行って参りました。
これから僧堂(禅僧の専門道場)に入門する禅僧が対象で、参加者は私含め8名。
私が最年長で、ほとんどが大学3~4年生でした。
妙心寺山門。

禅僧が身に付けるべき作法や礼儀を学ぶこと、僧堂を体験することが目的であり、想像以上の内容でした。。。

禅宗では日常生活全てが修行と捉えていて、衣や袈裟の着方や脱ぎ方、掃除の際の格好、食事の取り方、お茶の飲み方、お経の読み方、坐禅の組み方、風呂の入り方等、全てに作法があります。
一通りの作法を2泊3日で指導していただいたのですが、とにかく覚えることが多い。
そして一度教えていただいたことを間違えると、容赦なく怒鳴られる。

一番衝撃的だったのが、食事。
朝食のことを粥座(しゅくざ)、昼食のことを斎座(さいざ)、夕食のことを薬石(やくせき)と言います。
とにかく食べる量が尋常じゃなく多い。ご飯は基本3杯で、2日目の斎座ではうどんが5人前+白飯1杯、更に夜食として22時にうどん1杯と1合のおにぎり1個。
そして、どんなにご飯やお茶が熱くても早く飲食して、少しでも時間を無駄にしてはいけないという考えのようで、まるで毎食が大食い選手権のようでした。
ただ救われたのは食事は精進料理でしたが、全て美味しかったこと。がんもどき、ナスの揚げ浸しは、特に絶品でした。

次に、読むお経の種類が多いこと。研修会では15種類。お恥ずかしながら3種類しか覚えていないので、話になりません。
僧堂に入るまでに出来れば15種類覚えてから入門することを勧められました。覚えていないと、僧堂では自由時間は就寝後しかないため、睡眠時間を削って覚えるしかないとのこと。
何としてでも、あと約半年で12種類覚えねば。。。

そして、寝る時の作法。敷き布団と掛け布団、枕というのは存在せず、柏布団という正方形に近い1枚の布団を2つ折りにして、柏餅のように包まって寝ます。枕がなく、顔を覆う必要があり、息苦しくて、暑くて頻繁に目が覚めてしまいました。。。

6:00から23:00まで、坐禅、読経、食事、掃除、坐禅、読経、食事、、、風呂、、、とエンドレスで続き、休憩といえば、トイレ休憩と水分補給の10~15分程度がこまめに間に入ったくらいで、目まぐるしい3日間でした。
この3日間で、僧堂というのはどんな場所なのか少しだけ理解できたような気がします。
世間との縁を断って厳しいルールの中で共同生活を送ることは辛いことですが、一定期間過ごすことで、気づいたら禅僧としてのスキルが習得出来ている、言わば、修行道場という名の禅僧のトレーニングセンターなのだと。

同じ日本でありながら、知らない世界がたくさんあります。
ほんの僅かですが禅の世界に触れることが出来、日々の何気ないことの有り難みを感じています。好きな量だけご飯を食べる、ゆっくりお風呂に浸かる、家族と一緒に過ごす、ふかふかの布団で寝る、笑う、、、。

僧堂生活を1年以上過ごすことを想像するだけで背筋が凍りますが、一人前の禅僧になるための登竜門なので耐えるしかありません。
厳しい中にでも、自己成長や下山後の周りにいる方の笑顔など、前向きになれる方法を見つけていきます。

学徒(臨済宗妙心寺派の檀家や寺関係者)向けの1泊2日の研修もあるので、ご興味ある方は、菩提寺に相談されてみて下さいね。