2016年8月22日月曜日

施餓鬼会終了!

一年で一番大きな行事、施餓鬼会が終わりました。
私のいるお寺では、曜日関係なく毎年8月21日と決まっていて、今年は日曜日ということもあって、
例年よりも多くの方々に参列していただきました。確かな数は分かりませんが、150名以上とか。

私にとってのデビューであり、記念すべき一日となりました。
そして、とっても長い一日でした。。。

施餓鬼会当日の様子を簡単に紹介します。
<一日の流れ>
8:00  婦人部役員到着 お斎(おとき)の準備開始。
    ※お斎:法要で提供される食事のこと。炊いたご飯は6升、何と120人前!
9:00  寺の総代到着
    ※総代:理事のような役職で、うちの宗教法人では総代が5人と決まっていて、そのうちの1人が住職。
10:00 会計・役員到着 参列者が増え始める。
11:00 お斎(おとき)開始
    ※写真がないのが残念ですが、メニューは、炊き込みご飯、ポテトサラダ、煮物(かぼちゃ、ひじき、なす・ピーマンなど)、漬物。人気は、炊き込みご飯とポテトサラダ。普段は1杯しか食べない方も2杯召し上がります。
13:00 お手伝いしていただく近隣のお寺の和尚7名到着
13:10 参列者の前で私と妻のお披露目と挨拶
13:30 施餓鬼会開始

15:30 施餓鬼会終了
16:00 会場片付け開始
17:00 役員との直会開始
19:00 解散

さて、私の役割は太鼓と木魚でしたが、何とか無事に終わりました。
太鼓では、事前に聞いていたタイミングで住職が入場されるはずなのに入場されない、とか、
木魚では、お経が読み終わるのに、参列者のお焼香が終わらないので、急遽遡ってお経をリピートするとか、ハプニングはあり、小さなミスをしてしまいましたが、どうやらバレていないようでした。。。

半数以上の檀家さんがいらっしゃる前で、デビューさせてもらえて、ようやくスタート地点に立てたような気がします。
直会では役員さんから、地域の歴史、暮らしの様子、地域の未来、今後のお寺のあるべき姿など、色んなお話を聴かせていただき、お寺にご理解がある方が大勢いらっしゃることはありがたいことですし、それだけ期待も感じ、改めて身の引き締まる思いがしました。

一日色んなことがあって疲れましたが、心地の良い疲れでした。
次の行事、3月に開催される大般若(だいはんにゃ)に向けて、やるべきことが明確になりました。

2016年8月20日土曜日

いよいよ明日

いよいよ明日に迫った施餓鬼会(せがきえ)。
会場設営が完了し、この本堂に100名以上の方が集まるのかと想像すると何だか緊張してきました。

ちなみに、前回のブログにも書きましたが、餓鬼とは、生前の悪行によって成仏していない霊や魂の事を言い、常に飢えと乾きに苦しんでいる者を指します。施餓鬼とは、そういう者たちにも食べ物や飲み物などの供物を施すことで餓鬼やご先祖様の供養を行う法要行事です。

ところで、施餓鬼会でも使う五色幕(ごしきまく)。お寺にお参りすると見かけることがあると思います。この5色はお釈迦様の教えを象徴的に表した色だと言われ、今日まで伝えられてきました。


・緑 - 釈迦如来の毛髪の色で、心乱れず穏やかな状態で力強く生き抜く、禅定(ぜんじょう)を表す。
・黄 - 釈迦如来の身体の色で、豊かな姿で確固とした揺るぎない性質、金剛(こんごう)を表す。
・赤 - 釈迦如来の血液の色で、大いなる慈悲の心で人々を救済する事が止まることのない、精進(しょうじん)を表す。
・白 - 釈迦如来の仏歯の色で、清らかな心で諸々の悪業や煩悩の苦しみを清める、清浄(しょうじょう)を表す。
・紫 - 釈迦如来の袈裟の色で、あらゆる侮辱や迫害、誘惑などによく耐えて怒らぬ、忍辱(にんにく)を表す。

そして、五色幕をよく見ると文字が書いてありますが、それらは如来という仏様の名前です。
開甘露門(施餓鬼)というお経に登場する仏様で、右からお経に登場する順番で並べてあります。
・宝勝如来(ほうしょうにょらい/別名:多宝如来):貪りの心を癒し、無限の富を約束する。
・妙色身如来(みょうしきしんにょらい/別名:薬師如来):美しい体と健康に恵まれる。
・広博身如来(こうばくしんにょらい/別名:大日如来):餓鬼の喉を広げて飲食ができるようにする。
・離怖畏如来(りふいにょらい/別名:釈迦牟尼):すべての悩み苦しみの元である恐怖から目覚め、現実に立ち向かう勇気を与えられる。
・甘露王如来(かんろおうにょらい/別名:阿弥陀如来)とてもおいしいきれいな水で身も心も潤う。
というように、五色幕は5つの功徳を発揮するシンボルということになります。

今回、新たな発見だったのが、”大日如来=密教”、”阿弥陀如来=浄土系”というイメージがあり、禅宗には関係のない仏様だと思っていましたが、そんなことは全く無く、今まで間違った解釈をしていました。

残す作業は、施餓鬼旗(せがきばた)のみ。
施餓鬼会当日に、ご先祖様の戒名が書かれた卒塔婆(そとば)という木の板と一緒にお配りします。こちらも、五色幕と同じ色を使っていて、お墓参りの際に卒塔婆と一緒に飾ったり、仏壇の前やお盆の棚に飾って使用します。

ちなみに、私のいるお寺では施餓鬼旗は全て手作りで行います。
なかなか大変な作業なので、外注するお寺も増えているようですが、昔ながらのやり方を続けています。
竹はご近所の90歳近い方に準備していただきます。伐採から、全て同じ長さにし、さらに5色の紙を挿しやすいように切れ目を入れるところまで。竹に5色の紙を挿すのは、お寺の役員の方々に、前日作業をしていただきます。

今回、施餓鬼会の準備に関わり、よく分かったのは、施餓鬼旗や、8月上旬にお寺の婦人部の方々にお越しいただいたお寺の大掃除など、ご近所や檀家など大勢の方々に支えていただいて、お寺が成り立っていることです。
本当に有り難いことです。

いよいよ明日!