2018年10月27日土曜日

雲水日記8

4月25日
入門33日目。接心終了。入門して初の外出。

 長い1週間がようやく終わった。1週間、毎日4時起床で25時就寝、特に全体朝課・晩課、大量の飯・茶礼がかなりハードだった...。
ミスばかりだったけど、接心というのが何なのか理解できた。

 そして、また1週間後に接心が始まるという...。しっかりこの1週間で修正しなくては。1週間振りの風呂がめちゃくちゃ気持ち良かった!!

 接心が終わり、少し落ち着いたようで、以前から老師に指示されていた眼鏡の買い出しがあった。通称、眼鏡弁事。
入門前に新調した丸眼鏡が個性を強調し過ぎているから修行に向かないとのこと...。せっかく買ったのに...。

 入門後、初の外出だ!でも一人では外出出来ず、2年目の先輩と一緒だった。
境内を出た瞬間、何とも言えない解放感があり、誰からも監視されず自由であることはこんなに有り難いことなのか、と感激した。
お店までの自転車を漕ぐ時間が、ものすごく心地よくずっと漕いでいたかった。

 めったにないチャンスだったので、先輩にお願いして時間をもらい、入門後、家族と初めて電話が出来た。
毎日の大声による読経で自分の声が潰れてしまったせいで、最初は誰か分かったもらえなかった。
「俺だよ俺!」といっても全く気づいてもらえず、オレオレ詐欺かと警戒された。
お互いの近況報告が出来て、20分くらいだったと思うけど話が出来て元気がもらえた。残り11ヶ月、まだまだあるけど頑張らねば!!!


【雲水用語】
接心(せっしん):7日間の集中修行期間。一日の大半が坐禅。接心中は風呂に入れない。
弁事(べんじ):私用で外出を許されること。

2018年10月8日月曜日

雲水日記7

4月18日
入門26日目。遂に制中・接心が始まった。

 4月15日から制中(せいちゅう)に入り、今日から接心(せっしん)が始まった。
道場は制中・制間(せいかん)と期間が2種類あり、平たく言うと、制中は厳しい修行をする期間、制間は緩やかな期間。約3ヶ月周期で制中、制間を繰り返す。
また、このタイミングで寮舎異動、つまり部署異動があり、堂内(どうない)から三應(さんのう)に配属となった。三應とは、老師の付き人の部署で、常に老師の近くにいてサポートすることが役割だ。

 制中は、基本的には4時起床。そして21時就寝の後に約50分の夜座(やざ)が入り、その後の反省会という名の先輩からの説教タイムが終わるのが早くて23時。
そこからお経や法要、儀式の動きなどを覚える自主勉強の時間になるため、実際に寝られるのは24~25時。33歳の身体で睡眠時間3時間、一切休憩なしで動きっぱなしというのはかなりハード。足のマメが潰れ、足パンパンや。

 そして接心初日。
4時起床で、朝課(ちょうか)、飯台看(はんだいかん)、講座(こうざ)、晩課(ごか)、参禅(さんぜん)、茶礼(されい)と忙し過ぎてあっという間に一日が過ぎた。
全てにおいて細かな作法が決まっているため、ミス連発でめちゃくちゃ怒られた。
そして、睡眠時間3時間が続くなか、1時間の講座は眠すぎて睡魔との戦いだ。噂によると老師に寝ていることがばれるとクビとか。。。

 一番衝撃的だったのは、20時の茶礼だ。接心の茶礼は、ものすごく食べる。うどん8杯~、おにぎり10個、サンドイッチ1斤がノルマだ。
初日はうどん、2日目はおにぎり、3日目サンドイッチ、4日目うどんというローテーション。雲水は食べ物を残しちゃいけない、たまに檀家さんからご馳走になる時があるから、その時に備えて胃袋をでかくする修行のようだ。
うどん9杯食べて、案の定、腹を壊した。

 睡眠時間を削って、身体を痛めつけて、内蔵まで痛めつけて、自分を追い込むのことが禅の修行らしいけど、本当にこんなことって必要あんの?この世界おかしいんじゃないの?ってことばかり。
でも、そういうもんだ、と受け入れることから。感情のコントロールも修行の一環か。


【雲水用語】
制中(せいちゅう):厳しい修行の期間。
制間(せいかん):緩やかな期間。
堂内(どうない):禅堂で寝起きして坐禅に集中する部署。それに対して、道場全体をサポートする部署が常住(じょうじゅう)。
三應(さんのう):常住の一つで、老師のサポートをする部署。他に料理をつくる典座(てんぞ)、事務局の副随(ふずい)という部署がある。
接心(せっしん):7日間の集中修行期間。一日の大半が坐禅。接心中は風呂に入れない。
飯台看(はんだいかん):食事の給仕係のこと。
講座(こうざ):老師による勉強会。
参禅(さんぜん):老師と禅問答すること。