仏教とは何か、禅とは何か、寺院とは何か、ちゃんと理解して人に伝えられるようになるには、どうすれば良いのか。
残念ながら、全くわかりません。。。
まずは出来るところから、ということで日本における仏教の歴史についてまとめてみました。
<飛鳥時代>
日本に仏教が伝来したのは飛鳥時代。朝鮮半島との繋がりを強くするために仏教を推進する蘇我氏が、物部氏を滅ぼしたことで、仏教を導入。その後、仏教を広めたのは聖徳太子。教科書でも習った17条の憲法の第2条「篤く三宝を敬へ。三宝とは仏法僧なり。」と示すように、仏教を国民の心の支えにしようとしました。
<奈良時代>
奈良時代になると、聖武天皇の時代に国家を鎮護するために仏教が盛んになります。科学が発達していない時代に自然災害や疫病の流行は神仏に祈るしかなく国家を鎮護するため利用されました。
<平安時代>
最澄と空海という日本仏教界の英雄の登場。
最澄は天台宗の開祖であり、比叡山に延暦寺を開山。後の平安末期から鎌倉時代にかけて、多くの有能な弟子を輩出しました。一方、空海は真言宗の開祖であり、高野山に金剛峰寺を開山。真言密教を確立しました。
<鎌倉時代>
国家権力階級の朝廷や貴族たちではなく、一般階級や武士階級を対象とする新しい仏教の教えが登場。その代表例が浄土宗、浄土真宗、臨済宗、曹洞宗、日蓮宗など。特徴は、”わかりやすさ”に尽きます。
浄土宗や浄土真宗は、難しい学問やお経の理解は必要ない。ただ「南無阿弥陀仏」という阿弥陀仏の慈悲を信じ、念仏を唱えれば良いのです。
禅宗である臨済宗、曹洞宗は、日常生活そのものを仏教の実践活動と見なすことで、武士や農民の支持を得ることに成功しました。
日蓮宗は「南無妙法蓮華」を唱えることで、全ての人間が救われると説きました。
<室町〜安土桃山時代>
幕府に保護された臨済宗が全国的に武士を中心に広まった時代。京都の金閣寺、銀閣寺は臨済宗のお寺で当時の繁栄を象徴しています。
ちなみに、この時代に実家の禅寺が開山されています。
<江戸時代>
戦国時代が終わり、260年余に及ぶ徳川政権による対仏教政策と対キリスト教政策が同時並行的に巧みに行われた時代。
1637年に起こった島原の乱をきっかけに、家康はキリシタンの弾圧を厳しくしました。こうした幕府のキリシタン弾圧に協力させられたのが、キリスト教の競争相手となるお寺でした。幕府はキリシタンに仏教徒への改宗を命じ、誰もが必ずどこかのお寺の信者となることを義務化し、これが檀家制度の始まりです。また幕府はお寺に当時の戸籍の発行ができる権限を与え、行政機関の仕事を肩代わりすることの見返りとして、檀家による菩提寺への定期的な参拝や布施を義務化するなどして収入の安定を与えたのです。
徳川幕府が採用した宗教政策によって、国民は信仰を選択することができなくなり、お寺は飴を与えられ骨抜きにされました。
檀家制度によって信者が確保されたので、住職の仕事は仏教の教義を信者に伝えるよりも檀家からの布施収入を増やすことが重要となりました。
<明治時代>
こうしたお寺のあり方に対する潜在的な不満が明治維新後に爆発することになります。きっかけは明治政府が1868年に発した神仏分離令。これにより廃仏棄釈までエスカレート。私の実家の周辺にも以前は5つのお寺があったのですが、廃仏棄釈により3つも壊されたようです。。。
続いて明治政府は神道を定着させるため、僧侶の世俗化を図ります。1872年に僧侶が肉を食べること、妻帯すること、髪を伸ばすことを許します。これにより世襲制が可能となりました。
<昭和時代>
戦後、お寺にとって苦難の時期。民主化政策の一環として、1945〜1946年に実施された農地解放により、お寺は所有していた農地の大半を失いました。お寺の中には、農地からあがってくる不動産収入に頼っていたところも多かったため深刻な収入不足に陥るお寺が続出しました。もう一つは、新興宗教の台頭です。明治政府が信仰の自由を認めたことによって多くの新興宗教が誕生しました。江戸時代以来、地域密着の葬祭事業者の面が強くなってしまったお寺は、顧客のニーズに応えられるような宗教活動を提供できなくなっていました。
以上のように、これまでの日本における仏教史を振り返って改めて実感できるのは、江戸時代の檀家制度が非常に強い影響を持ったということです。明治時代に入って、檀家制度は廃止されたものの現在も檀家制度は存続し根強く残っています。
檀家制度は地域コミュニティが堅固なうちは機能し続けますが、この先の人口減少、核家族化という世の中の変化によって、檀家と菩提寺の関係も崩しつつあります。
住職が葬儀・法事だけしていては、寺離れがますます進むのは容易に予測出来ます。
では、この先住職としてどうあるべきか。少なくとも葬儀・法事事業者のみであってはいけないですね。大乗仏教の目的は苦しむ人々を救済することです。何かとストレスを抱え苦しんでいる現代人に仏教本来の教義を広める道を考えていきます。例えば、宿坊、座禅体験、お経講座、音楽ライブ等、、、お寺だからできること、禅寺だからできることを見つけていきます。
0 件のコメント:
コメントを投稿