2016年4月26日火曜日

宗派について

突然ですが、仏教徒の皆さんへお尋ねします。
皆さんの菩提寺(先祖代々の墓をおき,葬式や法事を行うお寺)は何宗ですか?
日常会話で、たびたび宗派の話になるんですが、ご存知無い方が多くいらっしゃいます。
感覚的な数字ですが、大体半々くらい。特に若い方はほとんどご存知無いですね。
それだけ、宗教に対して興味が持たれていないことなのでしょう。

ちなみに、私の実家の禅寺は臨済宗妙心寺派という宗派です。
色々と調べてみると、岐阜や愛知などの東海エリアには、なぜか臨済宗妙心寺派が多いです。
なぜだと思いますか?

まず、臨済宗は武士に支持されたと言われています。
禅特有のストイックな精神性、最先端の文化(庭園、茶、能など)、既成教団(天台宗・真言宗など)と深く結びついていた貴族への対抗、”不立文字、教外別伝、即心是仏”(文字によって教えを立てず、教義や文字にとらわれずに、心をもって心を伝え、人間が備えている仏性を見出すことが禅の目的である。)という思想が、武家政権にとって最も必要とされたためと言われています。
また、東海エリアといえば、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、今川義元といった名立たる武将のお膝元ですので、納得できます。

次に、妙心寺派を開山した関山慧玄(かんざんえげん)禅師は、岐阜にある正眼寺(現在:岐阜県美濃加茂市)で修行され、その弟子たちが正眼寺周辺に臨済宗妙心寺派のお寺を開山した、と言われています。
恐らく実家の寺もその一つなのだと思われます。

では他の地域ではどうか。
広島や島根などの中国地方では浄土真宗が多く、それは毛利氏や尼子氏が保護したからだと言われています。
浄土真宗門徒による一向一揆を恐れ、毛利氏や尼子氏などの諸大名はいずれも真宗門徒に対する無謀な弾圧策をとらず、逆にこれを自軍の配下にくみ込み、その工ネルギーを利用しようとしたそうです。

以上のように、宗派を知ることは歴史を知ることになるので、非常に興味深いです。

恐らく各地域でも、それぞれその宗派である理由が存在するはずです。
皆さんの菩提寺は何宗なのか、なぜその宗派なのか、調べてみると意外な発見があるかもしれませんね。

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